子育てQ&A

 

3歳の子を一人で寝かせたい。

お子さんによって差はありますが、3歳のお子さんにはスキンシップが大切な時期です。
寝る前のひと時に本の読み聞かせや楽しい話をするのは、子どもの情緒の安定や深い快適な睡眠に導くだけでなく、この時期のスキンシップ不足が成長してから問題行動を起こすこともあります。
これから延々と続くように思える子育ての中で、子どもがお母さんと一緒に寝たいと要求するのはこの先何年かの短い間ですし、お母さんの人生の中でもほんの一瞬と思われる時期だけです。
早く自立を、といったお母さんの気持ちも良く解りますが、あまり先に先にと急がずに家事の分担などをお父さんに協力してもらうなどの方法で、お母さん自身がリラックスする時間も生活の中に取り入れて、お子さんと子育て時期を楽しんでみてはいかがでしょうか。

引っ込み思案について

お母さんのご相談からすると、ここでは「性格がおとなしい」と「引っ込み思案」を分けて考えたいと思います。
集団の中に入った時に、どうしても他の子の言いなりになってしまい、遊びを十分楽しめない場合、このお子さんに必要なのはたいていの場合自信です。
日頃から周りの大人が、その子自信の自己表現を積極的に受け止める機会をなるべく多くつくり、他人の意見を尊重するように自分の意見も相手に尊重されるべきだということに気がついたとき、あなたのお子さんも集団の中で意見が言えるようになると思います。
まず、お母さんが「あの子達と遊んで楽しかった?」といった本人の気持ちを自分で表現できる練習をすることから始めてみてはいかがでしょうか。

4歳の子が言わないと食事の前に手洗いをしない

子どもは他の人のやることをよく見ています。
こういった子にしたいと思うその通りの事をお子さんの眼の前でされてみてはいかがでしょう。
例えば、家族全員で手を洗いに行くのはどうでしょうか?

おやつの与え方について

おやつと言うとすぐにお菓子をイメージしがちですが、幼児期は一回の食事で胃が小さいために摂取できなかった栄養を補完するのが目的です。
そういった意味では、お菓子でも良いのですが、お母さんの手作りの物の方が栄養的にも質の高い、あまり防腐剤や添加物が入っていない物を体に入れてあげられると思います。
少し大きくなったら、特に女の子の場合、一緒におやつづくりをする事によって、よりよいコミュニケーションづくりにもなります。
市販のお菓子を全くあげないのも、お友達の家で出されたお菓子の袋を一人で抱え込むことにもなりかねませんので、バランスよくおやつのメニューを考えてあげると良いと思います。

トイレットトレーニングについて

おまるではするがトイレではしたがらないとのことですが、トイレの中に可愛い装飾を施してみたり、ロールペーパーを可愛いものにかえるといった視覚的な変化を考えてみるのと同時に、あまりそのことに強くこだわらず、むしろ安心感を与えるように言葉掛けを行って下さい。

しつけるときの厳しさの程度について

難しいところですね。
では、しつけていく上での厳しさとは、いったいどんなことでしょう?。
しつけというのは大変難しい言葉で表現すると、「人間が、学習によって社会から習得した、生活形成の様式と内容を継承させるためのプロセス。」となりますが、簡単に言えば、将来社会人の一員として、他人とうまくやっていけると言ったほどの意味になると思います。
こういった、いわば物差し(秩序感覚)をその子の中に染み込ませる作業だと言えましょう。
これを目標と考えたときに、どういった時期にどういったしつけが必要なのかといった段階が出てくると思いますが、出来てないことに関して罰を厳しくすると、確かにその人(例えば両親)の前では、やるけれども、誰にも解らないところではやらないといった事が出てしまい、本人の中に物差しを作るといった事からは離れてしまいます。
体罰を多用した厳しいしつけが一般的で、しかも効を奏していた時期も確かにありましたが、今はあまりお薦めできません。

偏食について

親が好きでよく口にするものでも、「どうしてこの子は食べないのかしら?」という事もありますよね。
一度身についてしまった偏食はなかなか直りにくいものです。
しかし、お母さんの工夫できっと食べられるようになりますから、焦らず根気よく取り組みましょう。
たとえば、子どもたちの苦手な食品にピーマンがありますが、最近ではたくさんの種類が店頭に出回るようになりました。
青いピーマンより黄色や赤のパプリカの方が、いくらか独特の味が薄いので抵抗が少ないようです。
また、調理方法の中でも、天ぷらなら食べられるといった事もあります。
素材の選び方と調理方法を工夫することで、少しでも食べられたら、たくさん励ましてあげましょう。
お父さんお母さんもおいしそうに食べることもお忘れなく!

親の注意を子どもが聞かない

子どもの感覚は親になると忘れがちですが、子どもの行動は必ず意味というか、子ども自身の理由があります。
どうしてそうしたいのかよく話を聞いてあげ、どうしてそれをしてはいけないのか、子どもに分かるように優しく話して聞かせるとよいでしょう。
また、こういったやりとりを親子共々習慣化することにより、親の権威や時に体罰を動員して親の言うことを聞かせる必要はなくなります。

夜尿について

よく言われることですが、おねしょに関してあまり責めてはいけません。
おねしょの原因は、大きく2つの面から考えられます。
精神面が一番に挙げられると思いますが、ゆったりとした気持ちで就寝させるのがよいでしょう。
また、おしっこをでないように止めておく筋肉の未発達も、もう一方考えられますので、どうでしょう、夜寝る前に”くすぐりっこ”をお母さんとしてから就寝させてみてください。
スキンシップもとれますし、おしっこをコントロールする筋肉も鍛えられますし、なによりもお母さんに遊んでもらった満足感と安心感に包まれて眠りに入ることができます。
それでも失敗してもそれにはふれず、むしろ2組用意しておき、毎日温かなお布団で休めるようにしてあげるとよいでしょう。

第2子誕生後の第1子について

弟や妹が出来ると、今までと違って出生前からお母さんの気持ちが何となくお腹に中の赤ちゃんにいっているようで、お母さんからしてみると今までと同じ対応をしているつもりでも、実際には一緒にかけっこがしてあげられなかったり、お腹の上にポンと乗って遊ぶことや、産まれてくる子のために買い物をしていたりすると、何となく疎外感というかお母さんとの信頼関係が危ういように思えてくるものです。
自立と依存は背中合わせです。今まで自立していた(出来ていた)事も、生まれてきた子とお母さんとの間で依存に対してケアをしている姿を目の当たりにすると、自分の方も振り向いてもらいたくて赤ちゃん返りをしてケアを要求します。
こういった時に「モウお兄ちゃん(お姉さん)なんだから・・・!」といった一人で何でもするように促すとかえって逆効果です。
むしろ下の子には少し待ってもらって、お兄ちゃんやお姉ちゃんの方にも意識がいっていることを十分伝えてあげましょう。
お母さんからの愛情をしっかり確認すると、下の子にも目がいくようになると同時に外の世界に目がいくようになるでしょう。

遊びの後のお片づけについて

大人が、一つのことを終えたら片づけるのと少し子どもの場合は違いがあります。
子どもの場合、遊びの継続性や発展性は必ずしもきれいに片づいた状態から発生するとは限らないからです。
家の中でしたら子ども部屋なり子どものためのスペースでは片づける・片づけないの判断は子どもに任せてもよいでしょう。
しかし、子ども部屋に掃除機をかけたりするときは、子どもに掃除が必要な事をよく理解させて協力をお願いすると良いでしょう。
自分の部屋で次の遊びが出来なくて他の部屋におもちゃを持ち出した時には、「自分の部屋を片づけて遊びなさい」と優しくしかも毅然とした態度で話せばよいのです。
子どもは片づけの必要性を感じたとき自分から片づける事を始めるでしょう。

子ども同士の喧嘩の介入の仕方について

兄弟・お友達同士、どちらも同じですが、基本的には昔から言われるように「子どもの喧嘩に親はくちをはさむな!」という態度で良いと思います。
しかし、少し大げさに言えば生命身体に影響が予測されたり、金銭が関係してくる場合は介入した方がいいでしょう。
子ども同士はぶつかり合ったり仲良くしたりしながら人間関係を学習していきます。
もしも、お母さんが当事者同士の間に入り、それは誰それが悪いとか、こうしなさいといった警察官の役割や裁判官の役割を演じてしまうと、一つには自分たち同士で解決する機会を奪ってしまいますし、第2には、間に入る人の権限が強大であればあるほど、その人に対して何とか自分の正当性を訴える技量のみを磨くことに専念するからです。
どうしても仲裁をしなければならなくなった時には警察官や裁判官の役割を演じるのではなく、単に各々が主張していることを相手に整理して伝えるメッセンジャーの役割をしてあげましょう。

子どもの歯ぎしりについて

歯ぎしりには、主に2つの要因があります。
身体的な面からお話しますと、歯のかみ合わせ(咬合)ですね。これは、歯科医に相談をされるとよいでしょう。
もう一つは精神的な事ですが、何らかの欲求不満があると歯ぎしりがでる子が多いです。
ある程度長期間続く場合は、お母さんとの関わりが原因の事が多く見受けられますので日頃の接し方を見直しましょう。

近所に同年代の遊び友達がいない

確かに、近所に同年代の友達がいないのは、子どもが育つ上で最適の環境とは言えないかもしれません。
しかし、今の時代は子どもを育てる上での社会基盤は以前に比べて大変良くなりました。
例えば児童館、児童センター、子育て支援センターなど公的な団体や半官半民が運営する施設や、公園ですとか、お母さん達が任意で運営する子育てサークルなどです。
こういった情報は鳩山町では、ひばり子育て支援センターで受け取ることが出来ますのでお気軽にご来所下さい。
また電話による相談も受け付けていますのでご利用下さい。

指シャブリがでる

指シャブリは実は大変大事な能力の1つです。この本能的な力が備わっているからこそ、生まれたばかりの赤ちゃんでもオッパイを吸うことができ、生きる為の体の栄養素と、心の栄養素であるスキンシップが得られます。
この時期を過ぎると、タオルやおしゃぶりといった体の栄養素を含んでいないものにも興味が移り、マウスタッチとか口唇期といわれる口に触れる事によって確かめようとする知的な行動に移行していきます。
しかし多くの場合1歳を過ぎるあたりから段々とおもちゃをつかんで遊ぶとか、喃語(アッアッとかアブアブなど)を発したり、ハイハイをするためとかで、手も指もそして口も忙しくなってきます。
その結果、口と指やその他のモノが結びついている時間が余りなくなります。つまり、口と手の間に“ナニカ”が物理的に存在するか、又は興味の対象を精神的に与えてやれば、栄養の摂取以外に口を使うことが少なくなります。
ご相談のお子さんが、どういたった時に袖かみが出ているか観察してみて下さい。おそらく口や袖の近くの手がヒマな時に多く見られると思います。
6歳を過ぎてあまり指シャブリや袖かみが続く場合、歯並びに関しては少し気になりますが、無理矢理やめさせようとせず気長に待ちながら袖と口を忙しく(?)してあげる工夫をしてみましょう。

第1子の赤ちゃん返り

自立と依存は背中合わせです。今まで自立していたことも、第2子とお母さんとが依存に対してケアをしてあげている姿を目の当たりにすると、自分の方も振り向いてもらいたくて赤ちゃん返りをしてケアを要求します。
こういった時に「モウお兄ちゃんなんだから・・・!」といった一人で何でもするように促すとかえって逆効果です。
むしろ下の子には少し待ってもらって、お兄ちゃんやお姉ちゃんの方にも意識がいっていることを十分伝えてあげましょう。

兄弟喧嘩の仲裁が難しく、親の愛情がどちらに多く向けられるのか気にするようになってもと思いますが

“メッセンジャーに徹する”です。仮にタケちゃんとヨシくんでケンカが発生したとします。
先生はこう尋ねます。
“どうしてケンカになったの?”と、決して“なんで仲良く遊べないでケンカするの?”とは尋ねません。
いずれにしても、二人が我先にいかに自分が正義を行ったかを訴えます。
しかし、そこで先生はどちらが謝るべきかどちらの言い分が正しいかを判定しません。それはたとえ先生の目の前でケンカに至ったとしてもです。
更にどうしたら良いかも裁定しません。つまり“ではそのオモチャはタケちゃんが引き続き使っていいよ”とか“タケちゃんが悪いんだからゴメンナサイを言いなさい”といった裁判官の役目もしません。
ただひたすら“ヨシくんは、こう言っているよ”“タケちゃんは、こう言ってるよ”と言った具合に、互いの意志の疎通のお手伝いを延々としてあげるのです。
二人が納得するまでです。確かに、手がかかりますよね。
でもこういった解決方法に慣れてしまうと実際に、年長になればなるほど、ケンカが発生しなくなります。
何か問題が発生すると、ケンカにいたる前に相手に自分の意志を伝え、相手の意志も尊重するように子ども自身がなるからです。
実際この方法は私たちも導入する前は半信半疑でした。しかし、8ヶ月後、私たちはケンカの回数が減っていることに気が付くと同時に、驚きを禁じ得ませんでした。
何故かって?出しゃばり好きな女の子が、私たちの手法をそっくりそのまま使って、ケンカを納めていたからです。
モノサシをどこに創りたいのかをもう一度思い出して、皆さんの家庭でも試してみてはいかがでしょうか?

17歳問題について

この件に関して快刀乱麻のごとく“こうしたら良いですよ!”といった事は、悲しいかなよく分からないんです。
しかし、問題を起こしてしまう子の家庭に共通している部分は分かっています。
それを列記してます。
◯ 子どもを他の子や自分の過去と比較してしまう。
◯ 子どもに完璧に近い事を要求してしまう。
◯ 子どもの気持ちを察しようとせず、その時の、親の都合や気分を優先させてしまう。
◯ 子どもを一個の人格の持ち主として扱わない。
◯ 子どもが家族の一人として、親に自分の意見を聞いてもらえない。
これらが最も顕著に見られる、件の家庭での子どもへの接し方です。
もし、親や配偶者、近所の方々・会社の同僚・上司から上記の様な扱いを、あなた自身が受けたとしたらあなたはどう感じますか?
論語の中で孔子は『己の欲せざる所を人に施すことなかれ』と強く説いています。自分がして欲しくないことは、人にするなということですね。
現在あなた自身はそうでないかもしれません。しかしこういった親になろうと努力することが、親としての課題だと思いますし、この努力の過程こそが、子どもと一緒に自らも成長出来る“子育ての醍醐味”ではないでしょうか。
それと、お父さんの出番も大切なことですが、当日はお話しできませんでした。
会場でお回しした林道義先生の「父性の復権」(中公新書)の中に、子育てにおけるお父さんの役割が詳しく書いてあります。
是非御一読ください。

 

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